輸出ビジネスに活用できる?買取ファクタリングとは
買取ファクタリングは大きく「2社間」「3社間」の二つに分類されます。それぞれの詳しい解説と、国際ファクタリングとの違いも説明します。さらに買取と国際どちらの方法がより輸出ビジネスに適しているかも考察していきます。
買取ファクタリングとは
一般的な「ファクタリング」と言えば、この買取ファクタリングのことを指すと考えてよいです。
具体的にどのようなサービスかと言うと、自社が持つ売掛債権(請求書を発行済みで、後日入金予定の債権)をファクタリング会社に買い取ってもらうことで、本来よりも早く現金を調達することができる、というものです。
手数料を差し引かれることになりますが、早期の資金調達が可能となり、現状の資金難を回避することが可能になります。
また、買取ファクタリングは大きく「2社間」「3社間」の2つに区分けすることができるところも覚えておくべきポイントです。
以下の項目で説明します。
2社間ファクタリング
債権者(利用者)とファクタリング会社の2社間で取引するファクタリングです。
ポイントとしては、売掛先への通知や承諾を得る必要がない、という点です。
ファクタリングを利用する、ということは少なからず資金的に困っていることが知られてしまうため、取引先に利用事実を知られたくない…という利用者の方も多いのが実情。
そういった方に適しているのが、この2社間ファクタリングです。
取引の流れとしては、
①請求書に応じて手数料を差し引いた額をファクタリング会社が先だって利用者に振込
②期日に入金されたものを、そのまま利用者がファクタリング会社へ振込
という形になります。 利用者が売掛先から振り込まれたお金を持ち逃げしたりする未回収リスクを鑑み、手数料は10~20%程度と高めに設定されます。
3社間ファクタリング
債権者(利用者)とファクタリング会社に加え、売掛先も含めた3社間で取引されるファクタリングです。
債権者がファクタリングを利用する事実を売掛先に告知・承諾を得る必要があります。
2社間に比べ手続きが増えるため、時間がかかるというデメリットはありますが、ファクタリング会社は代金を売掛先から直接回収できるため、未回収リスクは少なく、手数料は1~5%程度と安めなのが特徴です。
時間的に余裕があり、取引先にファクタリング利用の告知をすることに抵抗がないならば、3社間ファクタリングの方が健全な取引と言えるでしょう。
国際ファクタリングとの違い
そもそも買取ファクタリングと国際ファクタリングでは、その主な利用目的が異なるため、名前は似ているものの本質はまったく別物と捉えるべきです。
・買取ファクタリング
すでに運営中の事業における、早期資金調達を目的として利用するもの
・国際ファクタリング
海外企業や個人との取引における、確実かつ安全な債権回収を目的として利用するもの
例えば、海外企業との取引で発生した債権を、通常の買取ファクタリングで早期資金調達することも理論上は可能です。
しかし、日本国内のファクタリング会社が海外にある取引先の調査をすることは難しく、買取を断られてしまうか、もしくはリスクが大きいことを理由に手数料をかなり取られることになってしまうでしょう。
以上のことから、輸出ビジネスにおいては買取ファクタリングよりも国際ファクタリングの方が活躍する場面は多い、と予想されます。