手数料に注意!国際ファクタリングの仕組みを徹底解説
国際ファクタリングは輸出ビジネスで活用できる資金繰り方法です。この記事では基礎知識・メリットをはじめ、利用の仕組みや費用について図を用いて解説。さらに、ビジネスを失敗しないための注意点や詳しい手数料なども掲載しています。
国際ファクタリングとは
輸出ビジネスを1から始めるにあたって、最大の不安要素となると「代金の回収」になるかと思います。
取引先は海外の企業もしくは個人で、言語や文化も我々とは異なります。
相手がしっかり支払いをしてくれるのか、調査することも個人単位ではなかなか難しいでしょう。
さらに輸送にどうしても時間がかかってしまう兼ね合いから、商品を発送してから代金が支払われるまでのタイムラグが発生してしまいます。
これらの懸念点を解消してくれるのが、国際ファクタリングというサービスです。
国際ファクタリングは、輸出業者の債権回収リスクや売掛金の管理サポートをするために、世界各国の金融機関が連携して構築した組織によって運営されています。
仕組みと流れ
有力な組織の一つである、Factors Chain Internationalを例にした図式ですが、このように原則として
- 輸出業者
- 国内ファクタリング会社
- 海外ファクター
- 海外のバイヤー
という4社間で国際ファクタリングは行われます。
その仲介と信用を担保するのがFCIという加盟組織です。
利用の流れを簡潔にまとめます。
1.輸出業者が国内ファクタリング会社に利用を申し込む
2.国内ファクタリング会社が海外ファクタリング会社にバイヤーの審査を依頼
3.審査結果を受け、国内ファクタリング会社が輸出業者に通知
4.輸出業者はバイヤーに対して国際ファクタリングの利用を通知し、その了承を得て売買契約を締結
5.バイヤーは支払い期日までに、海外ファクタリング会社に対して代金支払い
6.海外ファクタリング会社から国内ファクタリング会社へ送金
7.国内ファクタリング会社が輸出業者へ送金
国際ファクタリングの詳しい仕組みについては、こちらのリンクもご確認ください。
日本貿易振興機構ジェトロ
利用するための費用
輸出ビジネスにおいて非常に頼りになる国際ファクタリングですが、当然ながら無料で利用できるわけではありません。
一定の手数料がかかることは覚えておきましょう。
1件あたり1~3万円ていどで、調査内容の変更があった場合には追加費用がかかる場合があります。
売掛金額に対して一定の割合でかかります。国際ファクタリングの場合、0.7~2.0%くらいが相場と言われています。
通信費などの実費が請求される場合があります。
これらの費用がかかることを考慮し、利用するかどうかを判断するようにしましょう。
メリットと注意点
国際ファクタリングを利用する最大のメリットは、確実に代金が回収できるという安心感が得られるところでしょう。
万が一、国際ファクタリングを利用した上でバイヤーが支払いに応じなかった場合でも、90日が経過した時点で保証が履行されます。
また、取引先の調査に手間をかける必要がなく、ビジネスに集中することができるところも大きいでしょう。
注意点としては手数料など一定のコストがかかるところ。
売上が少なく、そもそも利益が見込めていない段階で利用してしまうと、そもそものビジネスとして成り立たなくなる可能性があります。
自身のビジネスの状況に応じて、利用を慎重に検討することが重要です。