今更聞けない円高・円安を解説!輸出ビジネスとの関係とは
円安や円高は普段からよく耳にするワードです。理解を深めておくことで輸出ビジネスをする上で非常に役立ちます。そもそもどのような状態なのか・なぜおきるのか・また輸出業に有利なのはどちらなのか、初心者にも分かりやすく解説します。
そもそも円高・円安とは?
円高や円安というワードは、比較的普段の生活の中でも耳にすることがあるかと思います。
しかし、具体的にそれがどういった状況を示しているのかについて、言語化して説明するほどの理解はできていない、という方も多いのではないでしょうか?
これらは輸出ビジネスにも深く関係してくることですので、ここでしっかり理解を深めておきましょう。
まず「円高・円安」とは、それぞれ日本の通貨である円(JPY)の外国為替市場における価値に関連した用語です。
日本円が外貨に対して価値が「高い」か「低い」かを示しているわけですが、実はある程度のところ政府や中央銀行が金融政策などによってコントロールしています。
金融政策によって為替状況がどう動くのか、こういったことに敏感になれば、輸出ビジネスにおいてもきっと役に立つはずです。
それぞれ細かく見ていきましょう。
円高について
円高は、日本円の価値が外貨に対して高まっている状況を示します。
言葉のイメージだけで言えば円が強くなって良いことのように見えますが、そうとも限りません。
特に輸出企業にとっては影響が大きく、海外で商品が高騰してしまうことで競争力を失い、利益が出にくくなります。
国内の経済状況が輸出企業に依存している傾向にあれば、俗に言う「円高不況」という状況になることもあります。
逆に、海外の商品を安く買うことができるようになるため、輸入産業は活発になります。
円安について
円安は、逆に日本円の価値が外貨に比べて低くなっている状況を示します。
日本円はかつて、1ドル360円という固定相場制でした。今からしてみれば超円安です。
1973年に変動相場制へと移行し、日々価値が変動するようになり、紆余曲折ありながら現在はかなりの円安傾向にある、と言われています。
傾向なので、「以前に比べて」円安だ、ということですね。
1ドル100円と、1ドル150円とで比較をすれば、後者がよりドルに対しての円の価値が低く、円安と言われる状況です。
「円が安い」と言われるとあまり良いイメージは持てないかもしれませんが、円高とは逆に悪いことばかりではありません。
輸出企業にとっては追い風となるからです。
輸出ビジネスとの関係
円の価値が弱まることで、海外企業は日本の商品を低コストで仕入れることができるようになります。
その結果、日本の商品が海外で低価格で販売されるようになります。
日本の商品は、元々あらゆるジャンルにおいてクオリティで定評があるため、低価格ならより売れるようになります。
例えば、日本最大の輸出産業とも言える自動車業界、そのトップであるトヨタ自動車では、2022年に急激な円安が進んだことを受け、当初想定していた利益を10%近く上方修正しました。
トヨタ自動車の売上は半分以上が海外であり、1円の円安が進むだけで営業利益が400億円以上上がる、と言われています。
そしてこれは、何も大企業だけに限った話ではありません。
中小企業や個人にとっても、円安は輸出ビジネスや海外での販路拡大への追い風となるのです。
言葉の壁や輸送の問題などの不安から、なかなか小規模で始めようとする人はまだ少ないですが、だからこそチャンスがあると言えるでしょう。