輸出ビジネスをするなら知っておきたい「輸出構成比」について解説します。

円安ドル高のイメージ

輸出ビジネスに役立つ!輸出構成比について徹底解説

輸出構成比とは、ある地域での総輸出額に対する品目ごとの割合です。知っておくだけで輸出ビジネスに必要な情報を読み解きやすくなります。計算式や日本と対象国の関係・具体的な品目を交えながら分かりやすく解説していきます。

輸出構成比とは

輸出構成比とは

輸出構成比とは、ある国や地域の輸出品目が、総輸出額においてどの程度の割合なのかを指すものです。
一般人にとってあまり馴染みのあるものではなく、これまで意識して見たことがない方も多いかと思います。

これを知ることで、特定の国や地域がどのような商品やサービスを他国に提供しているのかを理解するができ、また違った視点で経済を見ることができるようになります。
これから輸出ビジネスに参戦しよう、という方にとってはどの国でビジネスを展開するかの参考にもなるでしょう。

計算方法はシンプル

輸出構成比は通常、以下のように計算されます。

輸出品目の割合(%)=特定の商品サービスや輸出額/総輸出額×100

たとえば、A国の総輸出額が1,000億ドルで、車両の輸出額が100億ドルである場合、車両の輸出構成比は次のように計算されます。

車両の輸出構成比(%)=100億ドル/1,000億ドル×100 =10%

この場合、A国の輸出の10%は車両に関連している、と見ることができます。
輸出構成比の分析を行うことで、国や地域の経済構造や依存度、産業の特性を展望し、国際貿易政策や経済政策の見通し役立てることができます。
特定の産業に依存しすぎている場合、経済リスクを軽減する産業の多様化のためにも有益な情報となります。

日本の輸出構成比と対象国

では日本の輸出構成比を見てみましょう。

日本の輸出構成比    参考)税関ホームページ公式資料

見ての通り、2000年と直近を比較しても、主要な輸出品目は変わっていません。
強いて変化を挙げるならば、半導体製品の占める割合が若干下がったところでしょうか。
圧倒的な1位は自動車で不動です。
また、2021年になり急激に輸出総額が上がっていますが、これは2020年から21年にかけて久しぶりに円安傾向が進んだためです。
円安は輸出産業の追い風となるため、総額も増えたと見ることができます。
また、これらの製品をどこの国に輸出しているのかについてですが、自動車とその関連部品はアメリカ、鉄鋼や半導体製品は中国がかなりの割合を占めています。
その他は東南アジアが多い傾向にあります。


どのような商品を輸入しているか

逆に日本は他国からどのような製品を輸入しているのか、せっかくなのでこれについても覚えておきましょう。
日本は元々国土も小さく、資源が乏しいことはよく知られているかと思います。
したがって、原油および粗油やLNG(液化天然ガス)といったエネルギー資源を輸入している割合が高いです。
昨今はガソリンの高騰がよく話題になっていますが、ガソリンの原料はほぼすべて輸入頼り。
急激な円安によって輸入価格が高騰し続けていることが、その原因となっています。

経済状況がわかりやすくなる

輸出構成比や輸入について、日本を中心に解説しました。

  • ・なぜガソリンは高くなっているのか
  • ・なぜ自動車メーカーは業績が好調なのか

漠然と見ているだけではわからないことも、こういった情報を読み解くことができればすんなり理解できるはずです。