日本の輸出国と輸出高~輸出ビジネスの今後の展望
世界でも有数の貿易大国「日本」。輸出ビジネスをするなら注目しておきたい、主な輸出国・輸出品を分かりやすく表にまとめて掲載しています。また、近年の輸出高の推移や今後の展望についても紹介いたしますので、ぜひお役立てください。
日本の主な輸出国
日本は2020年時点で中国・アメリカ・ドイツに次ぐ世界第4位の貿易大国ということはご存じでしょうか?
2021年のコロナ禍によって輸出入の一時的な停滞はあったものの、落ち着きと同時に再び活性化しつつあります。
日本は元々の土地柄から資源には乏しい国でしたが、世界屈指の技術力を持っていました。
乏しい資源は輸入に頼り、それを技術力で加工し、製品として輸出する。これが日本の貿易スタイルです。
そんな日本の主な輸出相手国は、以下の通りです。
1995年 | 2000年 | 2010年 | 2020年 | |
---|---|---|---|---|
1位 | アメリカ | アメリカ | 中国 | 中国 |
2位 | 韓国 | 台湾 | アメリカ | アメリカ |
3位 | 台湾 | 韓国 | 韓国 | 韓国 |
4位 | 香港 | 中国 | 台湾 | 台湾 |
5位 | シンガポール | 香港 | 香港 | 香港 |
2000年以前はアメリカが首位でしたが、中国が取って代わって最大の輸出相手国となっています。
また、アメリカ以外はほぼアジア及び東南アジアが対象となっていることも特徴の一つです。
主な輸出品
日本の主力輸出品目ですが、
- ・自動車及びその部品
- ・半導体等電子部品及び半導体等製造装置
- ・鉄鋼
が大半を占めています。これら品目の輸出産業は、円安の追い風もあり、現在も成長を続けています。
自動車関連製品の主な輸出先はアメリカ。
安価で燃費が良く、性能も高い日本車は非常に人気です。
また、半導体製品は中国を始めとした東南アジアに多く輸出しています。
これらの製品はパソコンなど様々な電化製品に使用される部品となりますが、多くの日本メーカーが人件費の安い東南アジアに製造拠点を持っており、日本から部品を輸入して製品を造っている、という背景があります。
これら輸出品目の傾向は、20年以上ほぼ変わらずにいます。
輸出高について
日本の輸出高は、最近ですと以下のように推移しています。
輸出高 | 前年比率 | |
---|---|---|
2017年 | 約78兆円 | 11.8% |
2018年 | 約81兆円 | 4.1% |
2019年 | 約77兆円 | ▲5.6% |
2020年 | 約68兆円 | ▲11.1% |
2021年 | 約83兆円 | 21.5% |
特筆すべきは2020年~2021年にかけての急激な伸びでしょう。
この年は輸出高だけでなく、輸入高も同様に伸びており、貿易産業自体の規模が劇的に復活をしています。
理由としては、コロナ禍の落ち着きによる、それまでの停滞からの反動と、それに加えての急速な円安傾向があります。
今後の輸出産業の展望
今後も当面日本の輸出産業は、製造業が支えていくことに変わりはないでしょう。
しかし、貿易の自由化やコストの安い海外での生産が主流となっている今、国内の製造業は徐々に衰退傾向にあります。
また、今後の輸出産業の新しい切り口として、「サービス貿易」が注目されています。サービス貿易とは、自動車のような製品ではなく、物流や通信・金融といったあらゆる分野での無形のサービスを輸出入することを指します。
今後2030年くらいまでに、世界の貿易においてこのサービス貿易が25%以上を占めるようになる、と言われています。
これまで各国内限定で利用されてきたサービスが、どんどん世界単位で利用されるようになっていくのかもしれません。